2005年1月『歩兵の本領』

2005年1月から2月にかけて上演された『歩兵の本領』では日本人の役、しかも自衛隊幹部の役でのストレートプレイ初出演。
高いハードルでした。
日本語に堪能であるとはいえ母国語でないため表現の上で、非常に困難を極め、初日にせりふに引きずられて芝居どころではないといった風情は本来の良さが活かされていませんでした。
しかし、千秋楽ともなると、アクセントもイントネーションも適当になり(笑)その分役にはしっかりと溶け込んでいました。
お芝居はやはりテクニックだけではないということを、ナチュラルな形で体現していたように思います。
日本語を使えても、それを使って表現するとなると、アクセントやイントネーションで大きく意味合いが変わります。
その感覚は日本人でさえ持ち合わせぬ・使いこなせぬ人が多い中、健闘はしていましたが、今後かなりの修練が必要な分野だと思われます。
それにしてもプレスのしっかりと効いた衣装に身を包んだ美しい立ち姿と視線のまっすぐさ、そしてオープニングで見せた「君が代」の熱唱は、充分に観客を魅了していたといっても差し支えないでしょう。特にヒップラインからまっすぐ伸びる足のきれいだったこと!!

公演情報

2005年1月21日〜2月6日 東京/紀伊國屋サザンシアター

<キャスト>
窪塚俊介
高橋一生
森本亮治
水川あさみ
花王おさむ
こぐれ修
武田義晴
友部康志
橋爪 遼
荻野貴匡

パク・トンハ
的場浩司

<スタッフ>
原作 浅田次郎(講談社刊『歩兵の本領』)
脚本 和田憲明
演出 杉田成道
美術 川口夏江
照明 松林克明
企画 大多 亮
音響 内藤勝博
演出助手 豊田めぐみ
舞台監督 森 和貴
プロデュース 岡村俊一
主催フジテレビジョン
企画製作アール・ユー・ピー